8.サタナの誕生
ワーハグやゼラセは程なくして死ぬ。
ゼラセはウリュズメクとヘミュツの二人に、自分は恐ろしいものに狙われているので、死後墓を三日守る様にと言った。
ウリュズメクが初日と二日目を守ったが、自分が信用されていないのでないかと腹を立てたヘミュツに三日目の番を代わる。だがヘミュツは死んだ母を狙うものなどおるまいと思い直し、宴に心惹かれて持ち場を離れる。
墓の中にかつてゼラセに騙されたワステュルジが現れて、彼女の死体を鞭で打つと死体は若返った。彼はゼラセと交わると去っていった。
一年後、シュルドンが墓の底から声が聞こえると言うと、中から赤ん坊が現れた。
彼女はサタナと名付けられた。
ワステュルジは彼の馬と猟犬にもゼラセを襲われたと言う話を聞いたが原文が探し切れていない。その場合生まれるのは名馬ドゥルドゥルと、犬の始祖とされるシラムだという。ゼラセの地母神的な性格を思わせる話でもある。