ナルト叙事詩とかのぶろぐ

ナルト叙事詩の紹介を中心に、興味のある神話や伝承について自分の勉強も兼ねて徒然にまとめることを目的にしたブログです。趣味の範囲なので更新は不定期になります。

4.美しきゼラセ

海の中に入ると、エクセルテグはドンビュッテルの屋敷にたどり着いた。

中にはドンビュッテルの美しき子どもたちがいたが、暗い顔をしている。

聞くと娘の一人が果樹園で矢を撃たれて半死半生だという。彼らはそれを憎み、犯人は互いに殺し合えばいいと呪った。同時に娘の命を救ってくれた男を妻にしようとも言った。

エクセルテグはすべてを打ち明け、ドンビュッテルの子らは羽を元の場所に戻すことで娘は助かるだろうと喜んだ。

かくしてその娘ゼラセはエクセルテグと結婚し、愛し合った。

 

 

→5.エクセルとエクセルテグの死へ

 

ゼラセは今後メインキャラクターとなるウリュズメク、ヘミュツ、サタナ、ソスラン、バトラズの祖先であり、彼らは皆海の神の血を引いている一族ということになります。(シュルドンも別の海の神であるガタカがゼラセを襲ってできた子供、という話も残ります)彼女やサタナは登場人物でありますが、グレートマザー的な性質が強い女性と言えます。

 

ドンビュッテルは海の神として知られる神性であり、多くの場合ナルトの守護者として働きます。名前の由来は聖人であり漁師であるペテロの影響があるのではないかとされます。その性質はポセイドンにも親しいところがあり、彼と同じく美しき息子・娘たちを多く家族に持ちます。

 

3.ナルトの果樹園

父ワーハグの指示で、エクセルとエクセルテグはナルトの果樹園のリンゴの木を防衛する。どこからともなくその黄金のリンゴを奪って食べるものがいるという。

二人が見張っていると、鳥が現れてりんごを奪った。エクセルテグは矢を放ち、羽が落ちた。

二人は鳥の血の跡を追うと、痕跡は海の中へ消えていることを発見した。エクセルは地上で待つことにし、エクセルテグは覚悟を決めて海の中に飛び込む。

 

→4.美しきゼラセへ続く

2.エクセルの剣

エクセルとエクセルテグはある日旅に出た。

道は三方向に分かれており、その分岐路の石の下にそれぞれの鏃をおいて、「二手に別れよう。帰るときは鏃を見て兄弟がまだいるかどうか確かめよう」といった。

エクセルテグは一年後元の場所に戻ったが、まだ矢はそこにあった。慌ててエクセルテグは兄の道を追った。

エクセルテグはテントを見つけ、そこの盲の女性を癒やすと、彼女はエクセルが海の住人であるビゼナグの捕虜になったとことを伝える。ビゼナクの頭上に隕石が落ちてきたためビゼナグは住処にそれを持って帰ったが、エクセルはそれを奪おうとして捕まったのだという。

エクセルテグはビゼナグの住処からエクセルを助けて鉱石を奪うと、クレタルゴンに求めてエクセルの剣を作り上げた。二人はビゼナグの住処に向かうが、ビゼナグの首領カラマグにエクセルテグは敗北する。

海の神ドンビュッテルの機転で彼らの弱点を知ったエクセルは、カラマグを倒す。

父親の剣は代々長男から長男に引き継がれ、馬は代々最年少の息子に引き継がれることになったという。

 

 

解説:

コーカサスの相続文化の紹介と双子の冒険活劇。

隕石は当時では錬成できなかった鋼鉄である場合もあり、隕石から作られた剣を重用した伝承は世界各地に残る。本伝説もそのたぐい。

 

クレタルゴンは天の鍛冶師であり、ナルトの守護者として活躍します。ギリシャで言うところのヘパイストスに該当します。
参考ですが、サイネグ・エルダーの剣を作ったのは「武神サファ」であるという話が出ていますが、私が読んだ文献を見る限りではクレタルゴンになっていました。(サファは囲炉裏と誓約の神であり、武神とはならないはずなので、単に確認誤りか、私の読んでいない伝承によるものかと推測されます)

1.エクセルとエクセルテグの誕生

ナルトの長老の一人であるワーハグの元に双子の兄弟が生まれた。

精霊クレタルゴンやドンビュッテルなどに祝福され、兄をエクセル(勇敢な)、弟をエクセルテグ(もっと勇敢な)と名付ける。

 

二人はみるみるうちに成長し、すぐに大人になった。

 

メモ、兄より弟のほうが優れたというのはスキタイの末子相続的な印象を受けるが関連はあるのだろうか。

 

ワーハグについては、長老と呼ばれる他にナルトの始祖と定義されることもあり、ナルト叙事詩における最も古い世代のキャラクターです。狼(wolf)との関連も示唆され、もともとは狼をトーテムとする一族だったのでは、という考察もあります

ナルト叙事詩についての雑記

 

急な質問だが。

「神話といえば何か」と聞かれて、まず出てくるものはなんだろうか。

 

ギリシャ神話?絵や彫刻とかのイメージだろうか。詳しい人はヘラクレスとか個別の英雄の名前も語るかもしれない。

日本神話?馴染み深く、神社でお祈りしたことのない人はいないだろう。

北欧神話?ファンタジーの題材として有名だ。トールキンなどもそうだし。

仏教や聖書の話ももしかしたら神話の一種なのかもしれない。

 

他にもエジプト神話。インド神話ケルト神話。中国神話。インカ神話。などなど。

ちょっとマニアックになってきただろうか。

さて、世界には文明の数だけ神話があり、民族の数だけ伝承がある。

その中で一つ、私の興味を捉えて離さないのがナルト神話、あるいはナルト叙事詩という物語群である。

 

 

続きを読む