ナルト叙事詩とかのぶろぐ

ナルト叙事詩の紹介を中心に、興味のある神話や伝承について自分の勉強も兼ねて徒然にまとめることを目的にしたブログです。趣味の範囲なので更新は不定期になります。

2.エクセルの剣

エクセルとエクセルテグはある日旅に出た。

道は三方向に分かれており、その分岐路の石の下にそれぞれの鏃をおいて、「二手に別れよう。帰るときは鏃を見て兄弟がまだいるかどうか確かめよう」といった。

エクセルテグは一年後元の場所に戻ったが、まだ矢はそこにあった。慌ててエクセルテグは兄の道を追った。

エクセルテグはテントを見つけ、そこの盲の女性を癒やすと、彼女はエクセルが海の住人であるビゼナグの捕虜になったとことを伝える。ビゼナクの頭上に隕石が落ちてきたためビゼナグは住処にそれを持って帰ったが、エクセルはそれを奪おうとして捕まったのだという。

エクセルテグはビゼナグの住処からエクセルを助けて鉱石を奪うと、クレタルゴンに求めてエクセルの剣を作り上げた。二人はビゼナグの住処に向かうが、ビゼナグの首領カラマグにエクセルテグは敗北する。

海の神ドンビュッテルの機転で彼らの弱点を知ったエクセルは、カラマグを倒す。

父親の剣は代々長男から長男に引き継がれ、馬は代々最年少の息子に引き継がれることになったという。

 

 

解説:

コーカサスの相続文化の紹介と双子の冒険活劇。

隕石は当時では錬成できなかった鋼鉄である場合もあり、隕石から作られた剣を重用した伝承は世界各地に残る。本伝説もそのたぐい。

 

クレタルゴンは天の鍛冶師であり、ナルトの守護者として活躍します。ギリシャで言うところのヘパイストスに該当します。
参考ですが、サイネグ・エルダーの剣を作ったのは「武神サファ」であるという話が出ていますが、私が読んだ文献を見る限りではクレタルゴンになっていました。(サファは囲炉裏と誓約の神であり、武神とはならないはずなので、単に確認誤りか、私の読んでいない伝承によるものかと推測されます)